プロジェクト
各省庁の支援事業
文部科学省 私立大学学術研究高度化推進事業 社会連携研究推進事業 「サスティナブル森林保全用草木系バイオマスガス化発電装置の開発」
- 【申請先】
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文部科学省
- 【概要】
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環境エネルギー立国を目指すためには、再生可能エネルギーとしての草木系バイオマス改質による水素ガスの製造技術と、水素を用いた独立分散型発電技術はもとより、これらを集積した小型ガス化発電装置が移動可能になることで山林地において電力の現場生産や地産地消を促進させる。このように環境エネルギーの両面を、工学的に評価するとともに具体的な解決策の提案を行う。
- 【プロジェクトメンバー】
(本学教員) -
山田 修
大中逸雄
田中武雄
杉山 明
尾崎博明
片山右京
籠谷正則
入澤 毅
大仲英文
才原 篤
寺島 泰
浜田耕治
- 【事業期間】
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平成18~23年度
- 【詳細説明】
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研究者および研究課題
山田 修
(工学部交通機械工学科 教授)
研究課題: 高温過熱水蒸気の発生技術開発<高温合成プロセス担当>
燃焼合成法によって得られる耐熱?耐食性を有する導電性セラミック多孔質ヒータを用いて、 高周波加熱装置 による1000℃以上の高温過熱水蒸気発生技術の開発と、草木系バイオマスの完全ガス化システムの構築を行う。またガス化の際の反応機構を熱力学的に解析する。入澤毅
(工学部助教授)
研究課題: ガス化リアクターチャンバーの開発<バイオ変換発電担当>
高周波過熱装置 を用いて草木系バイオマスを過熱水蒸気により完全ガス化をおこなうためには、ヒーター以外にも、反応器自体の耐熱?耐食性が重要となる。また過熱水蒸気に侵されない断熱材も必要となる。プラズマ溶射などにより表面改質を行って、活性雰囲気で使用可能な断熱性に優れたリアクターチャンバーを開発する。大中逸雄
(皇冠即时比分_皇冠体育在线-【官网认证】客員教授)
研究課題: 超高温過熱水蒸気発生用ヒーターの設計開発<バイオ変換発電担当>
高周波過熱装置 を用いて今まで達成が困難な1000℃以上という超高温過熱水蒸気を発生させるためには、耐熱?耐食性を有する新しいヒーター材料の開発と共に、いかにヒーターから水蒸気へ効率的に熱移動させるかといった物理的形状設計が重要となるため高効率ヒーターの設計を行う。杉山 明
(皇冠即时比分_皇冠体育在线-【官网认证】客員教授)
研究課題: 超高温過熱水蒸気発生用ヒーターの製造<バイオ変換発電担当>
800℃以下の過熱水蒸気によるガス化では、炭化物残渣(チャー)やタールが残存するためガス化効率が上がらない。バイオマスの完全ガス化を達成するためには、過熱水蒸気の高温化が必要である。そこで、 高周波加熱装置 を用いて1000℃以上の超高温過熱水蒸気が発生できる耐酸化性に優れたヒーターを精密鋳造法により製造する。複雑形状が可能となり接触面積を増やすことで水蒸気への熱伝導効率を向上させる。尾崎博明
(工学部教授)
研究課題: 有害有機物の分解無害化技術開発<環境保全対策担当>
草木系バイオマスの完全ガス化に際しては有害有機物の副生成を考慮しておく必要がある。このため、 高周波加熱装置 を用いて高温過熱水蒸気によるダイオキシン類等の有害有機物分解法を開発する。詳細内容
本システムは、平成18年度文部科学省の採択を受けた社会連携研究推進事業における研究計画遂行のために設置する。本プロジェクトでは、木質系バイオマスおよび廃プラに代表される石油製品廃棄物を重要なエネルギー資源として捉え、高効率なガス化発電システムを構築することによって、ガス化発電稼動に必要な電力も自己供給させた上で、さらに余剰電力を生み出す小型で移動可能な独立分散型発電装置を創造する。これにより、移動に際しての外部商用電源を必要とせず、また化石燃料を一切使用することなく、再生可能なバイオマス原料ないしは廃プラを投入するだけで数Kwの電力が取り出せる自己完結型の発電形態を目指す。移動可能で自己完結型の小型発電装置は、必要な場所で必要な量だけ生み出す電力の「現地生産」や、送電ロスを削減できる「地産地消」を行う上で欠かせない要素技術である。この際、バイオマスからのエネルギー収支を表すガス化効率(冷ガス効率)が重要となる。水蒸気をさらに加熱した過熱水蒸気を用いたガス化は、効率が良く、基本的には水(水蒸気)を使用するだけなので環境負荷という点でも優れているが、水蒸気を加熱するヒーターの耐熱性や耐食性の問題から、今まで600℃程度に留まり、冷ガス効率が上がらなかった。低い温度の過熱水蒸気使用では、炭化物などの残渣(チャー)やタールが残り、完全ガス化に至っていない。これが原因となり、タールやダストによる熱交換器や煙道の閉塞、さらにはエンジンなどの発電機の連続運転時のトラブルが多く、安定した発電ができないという課題を抱えていた。これらの問題に対して、大阪産業大学では新素材ヒーターを開発することにより、800℃以上の高温過熱水蒸気発生が小規模で可能となり、これを用いた木質系バイオマスのガス化を行っている。本方式では、タールやチャーが少なくなるメリットに加えて、バイオマスと反応しなかった蒸気は冷却することで、水として分離できるため、得られるガス種はバイオガス単体となり、燃焼熱量の大きなガスが得られることや、洗浄?精製などのガス処理設備を小型化?簡素化できる点も優位である。本プロジェクトでは、これらの実験室レベルでの成果を発展させて、大型化や安定稼動を目指した実証試験を行う。そして、こららの水素を含む可燃性ガスを用いて、ガスエンジンやスターリングエンジンあるいは燃料電池により発電して電力を得る。このガス化発電装置は、過熱水蒸気生成に必要な電力も自己供給させた上で、さらに余剰電力を生み出す仕組みとなり、外部電力や化石燃料を使用することなく、木質系バイオマス(ペレット形状)を連続投入するするだけで電力を得る。このガス化発電装置に、バッテリーやキャパシタによる電力貯蔵システムも付加して、移動可能な程度の大きさにしたバイオリクターを作成する。これと並行して、山間部を走行してバイオマスを収集する移動体に、草木のペレット化装置を搭載したバイオマス収集処理システムを構築する。バイオマス収集処理システム(移動体は電気自動車EVを検討)に、バイオリアクターを連結牽引させて、移動可能なバイオエネルギービークルBEVを開発する。最終目的としては、山間部での草木系バイオマス収集とガス化発電を行いながら、長距離の実証走行と市民レベルへの環境エネルギー技術の啓蒙普及活動を実施することである。